「 残暑見舞い 」2016年08月24日 10:39

「 残暑見舞い 」

 とにかく暑い
 暑くて動く気になれない 
 それで当然運動不足だ
 運動不足の結果
 自分がどういうことになっているか
 そういうことは知らん顔をすることにしている


 からだもこころもだれているので
 ロマンチックな詩語などよけいにうだる  
 ハードな詩語などよけいに胃にもたれる
 詩とはなにかの議論など原子炉を抱くようなものだ
 そのようなものには近づかないことにしている


 こういうときには
 なるべく難しい哲学書を読む 
 効果覿面(テキメン) すぐに眠くなる
 眠くなると感じるまえに寝ている
 寝ていても暑い


 世の中が温暖化で地球が熱くなっている
 ということになっている
 地球史的には間氷河期が終わる頃で寒くなるという説もあるが
 人間の欲望のかまどがとどまるところなく燃えさかっているからか
 とても寒くなる気配どころじゃない


 熱湯に煮えたぎる鍋に投げ入れた蛙と
 水鍋に蛙を放り込み徐々に熱する場合と
 どちらの蛙が生存可能性が高いかという話がある
 エコ関連で有名なたとえ話なので多くの方がご存じだろう
 ぼくはその正解というケースに疑問をもっている


 正解は前者だ 
 熱湯に投げ込まれた蛙はその熱さにびっくりして
 鍋から飛び出るから助かるというんだ
 なんかなぁとぼくは思う 少なくともぼくがその蛙だったら
 とっさに飛び出る敏捷力も体力なんかもないぞ


 熱湯に投げ込まれても 水鍋から茹でられても
 ぼくの行き先がどうなるか知れてしまったから
 せめてできる範囲のことはやるようにしよう
 セミが去って静かになった朝
 そんなことを考えてぼくは自分に残暑見舞いを書いた



                      -2016.08.23
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つれづれにしたためた作文を投稿させていただきます。本人は「詩」を書いているつもりですが,、恥ずかしながら「詩」とは何かがわかっているわけではありません。

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