詩という隘路

「　まばら雨　」

　　　その地図を信頼するかどうかは
　　　それは君次第で
　　　あるべきものがあるべき場所にないと
　　　悲しむのは　
　　　それも君の勝手で


　　　この道はどこに繋がっているか
　　　とひたすら他人に聞いて廻るのは君の怠慢で
　　　みえるべき景色が望めないと
　　　嘆くのは
　　　それも君の我が儘で


　　　時を編むべき花時計が錆びついていると
　　　薔薇に抗議するのは君の無思慮で
　　　届くべきものが約束の時間に届かぬと
　　　苛立つのは
　　　それも君の短慮で


　　　そのようなどこもかしこも大差ない
　　　日々が演じられ日々が閉じられていく
　　　どこか奇蹟を見落としてはいないかと
　　　小さな願いとためいきが　ときどきだが
　　　まばら雨を真似て駆けてゆく


　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-2016.07.29


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