「 梁(やな) 」2017年09月12日 10:05



さきほどから少しも前に進めない
体をつつむ流れは前進せよとおれを煽りたてる
水の匂いはおれの行先を間違いなくしっかり指示している
白く輝く飛沫はおれを優しく鞭打つ
山あいに響く瀬音を聴けばおれは泣きたくなるほどだ

おれはこの先に進むのだ
おれの細胞のすべてが痛いほどこがれ求めている
この先にいけ
この先に行け
生が燃えるを許される場所がこの先にある
生がその秘密を解きほぐす場所がすぐ前にある
そこがおれの原点 そこでおれは溶ける
おれは全うし おれは答えとなる

尾びれは裂けよとばかりすのこの床を打ち続けている
精粋の流れはおれをこんなにも受け入れてくれているのに
さきほどからいささかも前に進めない
見あげれば背の高い雲が素知らぬ顔でおれの方位に流れていく
なぜ前に進めないのか
なぜおれはここにとどまるのか
やがてにぎやかな声が
近づいてくる
おれたちのものではない声が
まぶしくはしゃぎあいながら


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つれづれにしたためた作文を投稿させていただきます。本人は「詩」を書いているつもりですが,、恥ずかしながら「詩」とは何かがわかっているわけではありません。

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