「 太公望 」2016年12月26日 08:55

「 太公望 」


沈子(おもり)が重すぎて
浮子(うき)が役立ちません
それで
目印のないままに
ただただ
糸をたらすのです
釣れぬものを釣るものですから
エサもマキエも不要です
今はやりの疑似餌などは当然使いません
まずあれは邪道です
お魚まであんなもので騙したい性根は
おぞましく悲しくはありませんか
わたしどもの本性があまりにあからさまです
釣れてしまえば
算段などなんでもよいというさもしさが
無知と無垢につけいろうとする魂胆が
あれはキライなんです
お魚に失礼です
それでも釣り鉤だけはしっかり仕掛けます
クジラがかかっても
地球がかかっても
宇宙が ビッグバンがかかっても
いいえあなた負けるものですか
ただし
なにせ糸が細いのです
問題です
細すぎます
しらす一匹もちあがれば御の字の糸です
わたしに生える糸なもので仕方ありません
それを日がな一日潮に流すのです
もう何年 何十年 こうして磯に通うことでしょう
それでも良いのです 
くどいようですが
釣れぬものを釣るのですから
これで良いのです

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つれづれにしたためた作文を投稿させていただきます。本人は「詩」を書いているつもりですが,、恥ずかしながら「詩」とは何かがわかっているわけではありません。

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