詩という隘路

「　夢の花瓶　」


＝　生きるとは別人になるということだ。　
　　もしも今日、昨日感じたように感じるなら、
　　感じることすらできないということだ。
　　昨日と同じことを今日感じるなら、
　　それは感じるのではない　－
　　－　昨日感じたことを今日思い出すのであり、
　　昨日命を失った者が今日生きた死体になるということだ。　＝
　　　　　　　　　　　　　　フェルナンド・ペソア　
　　　　　　　　　　　　　　「不安の書」　1930.05.18　より　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　高橋都彦訳


活けましょう
あなたの花瓶に
あなたの今日を

赤い花白い花
薄墨の清い花
あなたの今日があるならば

あなたの今日がないならば
捜しましょう
あなたの胸の奥に咲く

あなたの苑が荒れるなら
祈りましょう
祈りおわれば鍬をもち

あなたの畝をおこしましょう
あなたの胸に降り積もる
重い夢をたがやして

それからそれから
すずしい流れもみちびいて
あなたの花瓶を添えたらば

あなたの今日も昨日も
活けましょう
まだみぬ花が蕾むでしょう

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　どちらさまにも良い一年でありますように
　書きつなぐことができるかどうか
　まことにこころもとないのですが
　今年もよろしくお願いします

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