「 どうしてわざわざ 」2016年12月18日 10:52

「 どうしてわざわざ 」



    「  沈黙と風のほうがはるかに大きいのに、
      どうしてわざわざ音楽を作るのか。
      暗闇に消し去られる定めであるのに、
      どうしてランプに火をともすのか。 」

     - アンソニー・ドアー 『すべての見えない光』より
                     藤井光訳


徒労という言葉をいつ覚えたか
徒労の意味をいつ解しえたか
それはぼくが納得するほどの
意味でありえたか
行為のまえに言葉が誕生し
行為が言葉に蹂躙されてゆく
畏れを産み 超越者を産み
迷路を産み 諦観の暗渠を掘りめぐらせた
知恵の実を囓ったということは
そういうことでしかなかったのか
近づけば 近寄れば
離れていくと思わしめるゴールを
ひたすら引き直し配置し直す神学に身を預け
永劫繰り返すのか そのちっぽけな籠絡を
鼻先に人参をくくりつけられて
涙のような涎を垂らしながら

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つれづれにしたためた作文を投稿させていただきます。本人は「詩」を書いているつもりですが,、恥ずかしながら「詩」とは何かがわかっているわけではありません。

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