詩という隘路 2015-042 「 ご み 」2015年10月05日 12:07

「 ごみ 」

   


ごみ という正体 そのありざまを おれは「考え」ようとした
だが
いかに考えることの困難を ごみは 寡黙に示すことか


汚れて不潔で醜悪な臭気が おれらの理想とする生活のほぞを指し示す
ぬぐえぬ羞恥 しかし今
見事着飾り見事壇上に座すものよ


偽善を装い偽善を従え偽善に疎まれ偽善に空しくなるもの
さびれた天秤であやしく天地を推し量り人称を単一化するもの
眉逆立て眦(マナジリ)決する尊顔で一切の視界を拒むもの


そこに 考えるに値する ごみは ありやなしや
落ちてゆく 墜ちてゆく 堕ちて行く 封印されるピット
あの正体が垣間見えないか


しかし
常に 考えることは 騒音にかき消され 欲念に追従し 矜持に尾をふる
いかに 考えることの 裏切りか


惨めで 陰湿で 小ずるい口臭が おれらの義とする生活のねぐらを整える
圧しつぶされ 埋め尽くされ そして燃えるメタンのけなげな蒼さよ
ぬぐえる寂寥 とまどうばかりのごみの夜は続いてやまぬ


おまえは いつ どのように 廃棄されたのか
廃棄という 廃絶 それらをごみと強いるおれらのありざま
心底 ごみに 触れるものは いったい誰か



              - (げ)  2015.10.05
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つれづれにしたためた作文を投稿させていただきます。本人は「詩」を書いているつもりですが,、恥ずかしながら「詩」とは何かがわかっているわけではありません。

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