「 一日が終わるということは 」 ― 2017年02月19日 10:17
「 一日が終わるということは 」
= 老いぼれたもんだ。
本当にもうろくしてしまった。
老いぼれて、ものの善し悪しもわからなくなるとはな。
先じいはつらつら考えながらそう言った。
自分を責める言葉が
フジの蔓のように口から吐き出されていった。 =
閻連科『年月日』(1997) 谷川毅訳
NIAN YUE RI by Yan Lianke
一日が終わる
一日は終わるためにある
一日は終わり尽くされねばならない
終わりきった一日に愛でられる者は
さいわいである
その一日を繰りかえす罰から免れる
なにかを付け加え なにかに付着され
なにかを削り取り なにかに抉られて
日々のバラッドが流れ
いさぎよく終結することのさざめき
跳梁する黄昏と曙の交合
そこで人びとは世界を創成するずるい神々へと脱皮するのに
収束に失敗した一日につきまとわれて苦しいひとのことを
ぼくはよく知っている
無限循環が飽和する一日のあぶくに溺れる無意味な苦しさ
愚痴の 悔恨の 無恥の 虚勢の 寂しがり屋の 鈍磨な
穴のあいたバケツの役を命じられる端役となって
こまねずみのように一日で人生をまわりまわる冗談
そんな悪魔の尾っぽにぶらさがるほかなく
その一日を繰りかえす入れ子のからくりに
無駄に泣いている人のことを ぼくは誰よりもよく知っている
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= 老いぼれたもんだ。
本当にもうろくしてしまった。
老いぼれて、ものの善し悪しもわからなくなるとはな。
先じいはつらつら考えながらそう言った。
自分を責める言葉が
フジの蔓のように口から吐き出されていった。 =
閻連科『年月日』(1997) 谷川毅訳
NIAN YUE RI by Yan Lianke
一日が終わる
一日は終わるためにある
一日は終わり尽くされねばならない
終わりきった一日に愛でられる者は
さいわいである
その一日を繰りかえす罰から免れる
なにかを付け加え なにかに付着され
なにかを削り取り なにかに抉られて
日々のバラッドが流れ
いさぎよく終結することのさざめき
跳梁する黄昏と曙の交合
そこで人びとは世界を創成するずるい神々へと脱皮するのに
収束に失敗した一日につきまとわれて苦しいひとのことを
ぼくはよく知っている
無限循環が飽和する一日のあぶくに溺れる無意味な苦しさ
愚痴の 悔恨の 無恥の 虚勢の 寂しがり屋の 鈍磨な
穴のあいたバケツの役を命じられる端役となって
こまねずみのように一日で人生をまわりまわる冗談
そんな悪魔の尾っぽにぶらさがるほかなく
その一日を繰りかえす入れ子のからくりに
無駄に泣いている人のことを ぼくは誰よりもよく知っている
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