「 正倉院展 」2016年10月27日 11:00

「 正倉院展 」

久しぶりに奈良まで足を伸ばすと
たまたま今日から正倉院展がスタートしていた
せっかくだからと列に並んで会場に入る

ふりがなを添えてくれなければ読めない宝物が鎮座していた
なんでも正倉院には九千件ほどの宝物が収蔵され
毎年そのなかから六十点前後のお宝が公開されると解説

当時の権力者やそのとりまきを飾った装飾品が観客を迎える
古びてほとんど奇蹟的に形状をとどめている品物がそれらしく
往時の美を威光を今に伝えようとしている

欧州や中国にゆけば
遙かにもっと古くもっと美しくもっと印象深いものが山ほどある
故宮やウッフツィなどを思い出しながらの印象だ

ここに飾られ陳列されているものの隠微ないわくに守られ
故宮やウッフィツィでは影を薄めてしまったものが
なおも執拗に濃厚な彩雲めいて鎮座する

故宮やウッフィツィをあげなくてもおれの近くのいくつもの博物館にも
もっと古くてもっと貴重で豊かな想像を遊ばせてくれるものは山ほどあるが
所有の関係性が変わるだけでモノの意味も変わるらしい

おれら日本人の血のなかにはこんなものを畏れる血が今も脈打っている
細微に描かれる文様に飾られた祭器や貴人の装具
官僚たちの財物管理帳に羈束された調や庸 それら権力のなごり

長い列、凝視に集注した人びとの多くは次第に疲れ飽きてくる
ぼくも空いている長いすに腰をおろしほのぐらい館内を見るともなくみつめ
さきほど鼻の頭を展示ガラスに押しつけてみたものを払い落とした


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つれづれにしたためた作文を投稿させていただきます。本人は「詩」を書いているつもりですが,、恥ずかしながら「詩」とは何かがわかっているわけではありません。

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