「 世 相 」 ― 2017年10月03日 17:57
世の中がますますつまらなくなってきて
見ざる言わざる聞かざるの三つ巴になりはてて
冷たい雨が山の木々を無遠慮に濡らして
涸れ沢から正体のみえない瀬音が流れて
山鳥ののんきな鳴き声がわざとらしくて
胸の奥の茨がでたらめに暴れ回って
そんな一億三千万の猿が揃いにそろって
目先の秋の実りの到来をささやかな楽しみにして
それがどうも薄皮一枚張りぼてのようだとわかって
耳滌がんと非難囂々抗議殺到甲論乙駁口角泡飛ばして
だが結局は飼い慣らされた管理社会の掟には逆らえなくて
米騒動を起こす元気も意地も根っから失って
だんだんわけがわからなくなって
あることないこと吹聴しあって
えげつない自己弁護に腐り果て
弱者非力とみれば江戸の仇とばかりこけにして
てんでに講釈を垂れまくって
意味もなく吠えまくって
見境もなく咬みあって
ますます見ざる言わざる聞かざるのさらに厚顔に跋扈して
虚栄の市ばかりが悲しく賑わって
かのレヴィアタンの涎をば総身浴びて
その微温についつい心をゆるして
いつのまに怪しいところに連れ込まれて
------------------
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://si-airo.asablo.jp/blog/2017/10/03/8693109/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。